ファッションブランドを立ち上げて失敗した話①
おおよそ2年前くらいでしょうか。
大学1年生の時、小さなファッションブランドを立ち上げて、失敗しました。笑
大きな資金調達をした訳でもないし、大きな損失を被ることはなかったんですけどね。
今回はその時の体験談、そこから得た学びなんかを共有させていただきたいと思います。
思いつきから始まったプロジェクト
正直な話、なぜファッションブランドだったかというと、思いつきでした。笑
当時、大学生向けビジネススクールに通っていました。そこでのプログラムで「自分でビジネスをしてみよう」というようなものがあって、「じゃー、洋服でも作って売ってみるか」という形で始まりました。
そのブランドの優位性、差別化戦略として、
・プロを目指す服飾系専門学校生が洋服を作製
・安い
・個性的な服が手に入る
というのを掲げていましたが、今見ると甘々ですよね。笑
販路としては、
・そこそこ有名な原宿のギャラリーで店舗販売
をしていたのですが、そうお高くとまってられなくなり、
・フリーマーケットでの出品
を加えました。
フリマアプリでも出品したかったのですが、それは大きな作戦ミスにより、実現不可能でした。その話は後ほどします。
甘々だったビジネスモデル
いろいろな面で甘かったこのビジネスですが、
特に「差別化戦略」「顧客のニーズ」「販路」について触れたいと思います。
先に述べたように、
- プロを目指す服飾系専門学校生が洋服を作製
- 安い
- 個性的な服が手に入る
を差別化の要因として、掲げていました。
1.プロを目指す服飾系専門学校生が洋服を作製について
まず、想定していた顧客のニーズについて少しだけ触れます。想定していたものとして「洋服を作った専門学校生を応援したい」「それにより生まれる自己達成感」というものがありました。
確かに、心理的な欲求に対する、無くはないかなというニーズですが、そこには大きな落とし穴がありました。
それは、
「応援したい」というニーズが芽生えるには時間が掛かる
ということです。
どういうことかというと、
例えば、あなたがある野球チームのファンだとします。そして、チケットを買って応援に行くこともあります。この場合、まずチームのファンになるというステップが必要になります。そこには、チームの選手について良く知ったり、チームの歴史について知ったりしていく過程が存在するのです。その過程を経て、愛着が湧いてくるのです。
つまり、「応援したい」というニーズは
プロダクトの認知(こんな商品があるんだと見つけてもらう)
⬇︎
プロダクトへの理解(この商品は誰が作っていて、どんな特徴があるのか知ってもらう)
⬇︎
プロダクトや生産者への愛着
⬇︎
応援したい
というプロセスを経てやってきます。
しかも先程の野球チームの例でも言えることですが、「プロダクト(チーム)への理解」は結構時間が掛かるのです。
しかし、我々は、
プロセスの認知→“その場で”プロダクトの理解→応援したい
という様に仮定していました。
ここからわかることは、
「応援したい」というニーズを発生させるには、前もってプロダクトを認知し、よく理解する時間が必要
ということです。
例えば「クラウドファンディング」は、あるプロジェクトの認知、それへの理解はインターネットで行われます。そこには、そのプロジェクトをなぜするのか、だれがするのか、いつまでするのか、いくら必要なのか、リターンは何か、といった詳細な情報が存在しており、インターネットであるため、自分の好きな空間で、たっぷりと吟味する時間が与えられます。よって、プロジェクトをよく理解し、愛着が湧き、「応援したい」と思うのです。
ちなみに、私たちが実際に行った訴求方法は、看板に「大手アパレルブランドに就職が決まっている専門学校生が作っています」という内容を記しただけでした。
これでは、「応援したい」とはなりませんよね…。笑
3.個性的な服が手に入るについて
(2.安いは飛ばします)
個性的な服にプロダクトを絞った理由は主に2つあります。
1つ目は、製作者である専門学校生が個性的な服を作るのが得意だった。
2つ目は、専門学校生が作る服を買ってくれる人は個性的な人が多そう。
というものでした。
しかし、やはりここにも大きな欠点が。
それは、
・個性的な洋服を着る人の絶対数の少なさ
・個性的な洋服を着ていて、原宿にいる人は年齢層低め
でした。「良く知られていないブランドが買われるためには、大通のファションではダメだ」と思っていましたが、そもそも「専門学生が作った」というだけで珍しいのに「専門学生×個性的」とニッチになり過ぎたのは大きな敗因かなと思っています。
また、はじめに販売をしていた原宿なら、個性的な人はたくさんいると予想していました。
確かにいるいはいたのですが、年齢層が低め。となると経済的余裕もあまりないようで、たまたま通りかかった場所に売っている「専門学生」が作った「個性的な」洋服を買おうとは思わなかったみたいです。
経済的に制限があるなら、個性的な洋服でも、いつものあの古着屋で買いたいですよね…。
少し長くなってしまったので、続きは次回に書こうと思います。
次回は、「甘々だったビジネスモデル」の「顧客のニーズ」「販路」からお話ししたいと思います。
次回もよろしくお願いします!