ミスドでドーナツを無料で貰うために1時間並ぶのはおバカ?

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こんな記事が少し話題になった。

ドーナツ2個を無料でもらうため1時間並ぶ人の多さ 80代男性が警鐘 - ライブドアニュース

ミスタードーナツで8月に開催された、auユーザーへの三太郎の日というキャンペーンに関するお話である。

auユーザーでau STAR会員であれば、誰でも無料でドーナツ2つ相当(280円分)が貰えるというものだ。

 

この記事では、80代のおじいさんが「ドーナツ2つのために1時間も並ぶのは愚かで、日本の将来が心配だ」と感じて送ってきたお便りを紹介している。

 

ドーナツを無料で貰うための1時間はもったいない?

80代のおじいさんは「1時間働いた賃金でドーナツを待たずに買おうとなぜ思えないのか。」と不満を漏らす。

例えば、時給950円でアルバイトをしている人が280円のドーナツを1時間並んで手に入れたとすると、670円損したことになる。

が、しかし、

この理論は本当に成り立つのだろうか。

ドーナツを貰うために並ぶ時間にアルバイトのシフトが入っていたのなら話は別だが、ほとんどの人がその時間は特に何もすることのない時間だったのではないだろうか。

だとしたら、

働かずして、暇つぶしがてらドーナツが貰えるという、何とも嬉しい話なのである。

 

ここで論点となるのは「ドーナツを貰うために何かを引き換えにしたのかどうか」である。

もし、ドーナツを貰うか友人と会うかというトレードオフを選択していた場合、670円とは比較出来ない程、多大な損をしているかもしれない。その日、友人と会っていれば、その友人の知り合いが通りすがり、その人は実は自分の運命の人だったなんてことがあったかもしれない。

無いか。

 

ドーナツを貰うことによって失ったのは「お金のための時間」ではない

ドーナツを貰うために人生の大切な1時間を使ったのは紛れも無い事実だ。

しかし、そんなこと言い出したら、ディズニーランドでアトラクションに乗るために2時間並んだり、何もせずにゴロゴロと1日過ごすなんてのは、もっと時間を無駄にしていると言えてしまうのではないか。だが、「ディズニーランドに行くのは辞めて、その時間で働きなさい。ああ、日本の将来が心配だ。」なんて言う人はいないだろう。むしろ、雑踏とした日常を忘れ、並んででもアトラクションに乗り楽しむことは良いことだと思う人が多いだろう。

ドーナツを貰うために並ぶ時間にも、アトラクションの順番を待つ時間にも、何もせずにゴロゴロする時間にも言えるのは、その時間は「将来のために」使える可能性があったということだ。

つまり、ドーナツ2個を貰うために失ったのは「自己投資のための時間」なのである。

その1時間で、資格試験のための勉強が出来たかもしれないし、将来に繋がる人脈を手に入れることが出来たかもしれない。

 

ドーナツを貰うために1時間並ぶのはおバカなのか

結論から言うと、おバカではないだろう。 

確かに、1時間働いて280円しか貰えないというのはおかしな話だが、これは「労働」ではない。むしろ、ディズニーランドと同じ「娯楽」に近いのではないだろうか。自分がauユーザーであるから貰えるという優越感や、280円分でどんなドーナツが貰えるだろうかというワクワク、何よりもタダでいつもお金を払わなければ手に入らないものを貰えるという特別感が多くの人々を1時間も並ばせるのだろう。

この「優越感」「ワクワク」「特別感」などの感情的要素が重要だ。

感情的獲得+280円 > 950円

という不等式が、潜在的に消費者の頭の中には存在するのかもしれない。

世の中には、お金で買えないものが沢山あるのだ。

 

これからの三太郎の日対策 

 先に述べたように、ただ1時間並ぶだけでは「自己投資の時間」を失ってしまう。 

しかし、これは簡単に解決できるだろう。

列に並んでいる間に、スマホでゲームをするのではなく、読書をしたり、立ちながら出来る勉強したり、将来に繋がることをすればいい。

タダでものが貰え、感情的にも得をし、自己投資も出来る。

三太郎の日最高。

私はauユーザーではないが。